ひとりさんの(2人でゆく)ひとり旅

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【特別停車】名鉄の特別停車、まとめてみました(平日編)

 

気ままに更新したいときに更新しています。

ふとこの前の年末年始に興味が出てしまい、せっかくまとめてみたので、今回は名鉄特別停車のお話を。

 

名鉄」とは?

愛知県と岐阜県にまたがって「名古屋鉄道」という広大な路線網を持った鉄道会社があります。私は関東圏の人間なので、なかなか乗る機会がありませんが(過去2度ほどしか乗ってません)、他の会社、路線にはないにはさまざまな特筆点が多くあり、ファンの注目を常に集めている鉄道会社です!

普段利用している人からすれば日常となりますが、(同じ路線内で)種別がコロコロ変わったり、多くの駅で後ろ2両分ホームからはみ出してドアが開かなかったり、その種別の停車駅でないのに毎日止まったり…ハマり出すと止まらない路線、それが名鉄です。

 

「特別停車」とは?

そんなカオス要素たっぷりの名鉄で最も有名なものが、今回取り上げる特別停車です。

種別こそ同じ"特急"や"急行"を名乗りながら、毎日ある列車限定で普段は通過する駅に止まる……そんな訳の分からないことが毎日発生しています。

首都圏で似ている例だと、小田急線の経堂駅。

同じ急行でも、平日下り18:00-21:00は通過という設定をしており、こちらは特定の時間、通過するという案内が路線図にもわかりやすく出ています。しかし、名鉄は違います。

 

通過する列車、停車する列車は同じ時間帯でも列車ごとに異なります。しかもそこかしこの駅で毎日やってます。

 

今回はそんな特別停車。すべてまとめております。

(2021年5月22日にダイヤ改正が行われるという報道がありました。今回はそこまでは調べられないので、2021年3月現在のダイヤが基になっています。)

 

ミュースカイ

JR東日本成田エクスプレス、京成のスカイライナーのような、座席指定制の特急種別です。

スカイライナーのように、種別名がミュースカイです。

こちらの最上位種別にも当然のように特別停車があります。

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ミュースカイ上り(北行)。
下りは全列車標準停車。

朝の最初から4本の名古屋方面の列車で、空港から神宮前までの特急停車駅5駅に止まっていきます。一見すると最初からカオスですが、首都圏ではよく見る話で、成田空港発の成田エクスプレス朝の上りのみ千葉県内で4駅止まるのと同役割で、着席定員制のライナーとしての役割も果たすものです。そう考えるとよくある話だなと納得できるものです。

ちなみに、この特別停車駅のうち、真ん中の新舞子、朝倉、尾張横須賀では後ろ2両のホームが足りず、ドアを締め切っていたそうですが、新舞子駅が2021年3月21日よりミュースカイのために上りのみホームを延伸し、締切が解消されたようです。

深夜の神宮前始発、空港と関係ないミュースカイは完全にホームライナーです。特急と停車駅を揃えています。

 

 

②特急、快特(名古屋本線)

日中は1時間に2本ずつ、計4本走っている名鉄の主力種別です。

快特の特急停車駅との違いは、国府と新安城を通過するだけなのですが……

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本線特急下り(北行)

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本線特急上り(南行)

朝夕の特急の運用は特別停車多めです。

特に多いのが伊奈への停車です。

特急だけでなく、快特も停車していきます。

伊奈は終点豊橋の一つ前ですが、豊橋への入線本数が限られているため(理由は割愛)、朝ラッシュ時は特急のみの乗り入れとなります。そこで、急行以下の乗り換えの利便を図るための伊奈停車、というわけです。

通勤特急通勤快特みたいな別の種別があっても然るべきですね。

上の表の他にも、国府で分かれる豊川線始発の特急、快特がありますが、豊川線内は特別停車扱いです。

須ヶ口行きは、本来名古屋行きなのを、名古屋で終点扱いしている時間がない(後続がすぐ来る)ため、入庫する駅まで回送しながら営業するような感じです。

岐阜発の朝ラッシュは、以前通過していた2駅が現在も名残で朝のみ一部が通過しています。

全列車でもなければ交互でもないのでこれは完全にカオスです。

ところで…快特国府と新安城が通過としましたが、ご覧の通り朝夕はみんな国府に停車してしまうので違いは新安城のみ…といきたいですが、5月のダイヤ改正豊橋行き最終が新安城停車の快特らしいですね。どんどん違いが無くなっていく…

 

③特急、快特(河和線ほか)

知多半島方面に足を伸ばす河和線知多新線です。

日中パターンダイヤ時は1時間に2本ずつか名古屋始発でそれぞれ河和、内海に振り分けられます。

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河和線特急上り(北行)

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河和線特急下り(南行)

朝の名古屋方面、夕方以降の半田方面に停車駅が増えるだけのわかりやすいスタイルです。

これこそ通勤特急なる種別があれば特別停車なんていらなそうですね。

しかしパターンにはまらないものもあり、朝の上りに何故か特別停車をしない便があるのと、朝の1本目の特急が更に停車駅を増やして通勤通学に対応している列車があります。

須ヶ口駅には他にも特別停車の特急がありますが、津島線に直通する系統は標準停車駅となるので割愛します。首都圏の西武池袋線練馬駅への地下直快速急行の停車と同じ扱いになります。

 

以上か特急系統です。

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特別停車数まとめ
(特急、快特ミュースカイ)

ここまでの特別停車を、停車回数を多い駅順にまとめてみました。
ここまでは種別も変わらず分かりやすいのですが……

 

 

④急行、快速急行(常滑線)

ここからは大変なので、上下線それぞれで特集します。

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常滑線急行、快速急行上り(北行)

まずは名古屋方面。

こちらだけならそんなに難しくないです。

急行以外の種別に化ける時は、色分けしているので詳しくは避けます。特別停車だけに話題を絞ると聚楽園にたくさん止まります。一つ前の太田川が路線が合流する駅で、朝はミュースカイも止まるくらい大きな駅ですが、路線別にホームが分かれてしまっているため、緩急接続が満足にできません。

そのため、合流した後の直近の緩急接続可能な構造の聚楽園が代替しています。

聚楽園に特別停車する便は基本的に各駅停車と相互で乗り換えが出来る設定になってます。

ちなみに、快速急行はレアな種別なのですが、割と特別停車時間帯に絡んでくるので、全列車載るように全体を作ってます…つまり、常滑線の上り快速急行聚楽園に全てが特別停車すると覚えておきましょう()

 

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常滑線急行、快速急行下り(南行)

このあたりからまとめようがないぐらい停車が散っていきます。常滑線系統につながっている犬山線の小田井コンビが南行は一本のみなので掲載。こちらの急行、2021年3月15日より特別車に乗車可能になりました。

名古屋本線の大里駅への特別停車だけはどうしても系統分けできず、この後数回出てきます。

大江は工業地帯ど真ん中だそうで、ラッシュ後半の快速急行は全て止まるようですね。

西ノ口は設備の都合上、後続列車の待ち合わせのための特別停車です。2本目の停車は更に通学対応のため続けてもう2駅停車します。

基本的に始発から全区間普通、特急以外全て掲載しているので、特別停車時間帯が右のほう(朝ラッシュ時間帯)に寄っているのがわかります。

 

⑤急行、快速急行(名古屋本線)

おそらくこちらが1番カオス度が高いです。

が、同種別で以下の表を作るとなんとなく全容が見えてきます。たぶん。

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名古屋本線系統急行、準急下り(北行)

やっぱり特別停車駅が多すぎてどこから手を出せば良いかわからないカオス状態です。おそらくこれが1番複雑。

やはり名古屋中心部への通勤通学のために、綿密に計算された特別停車だといえるでしょう。

停車数が多いところで頑張ってまとめると、

名古屋着7:30-8:30の急行は有松(または中京競馬場前)に特別停車、そのうちの半分は矢作橋にも停車

ここだけは分かりやすいかと思っています。

あとは、需要や普通列車との本数調整のために数本ずつ停車していきます。

 

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名古屋本線系統急行、準急上り(南行)

南行はあまり多くないです。やはり名古屋方面とは逆を行くからですね。

豊明の2本のうち1本は始発列車の出庫を兼ねているので、実質全ての特別停車駅にて1回ずつの特別停車となります。

 

ここまで朝ラッシュ(特急は夕方以降含む)の特別停車をまとめていきました。通勤通学に対応した柔軟な停車パターンを作る、そのための特別停車ですね。

 

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朝ラッシュの急行などの特別停車回数をまとめるとこんな感じ。名古屋の南側で対象駅が多く、名古屋に向かう側で多いのが特徴です。

 

 

⑥深夜帯の本線急行(北行)

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深夜時間帯・岐阜方面急行など

大里駅への特別停車のみ、終電近くのパターンダイヤ終了後に出てきます。なお、パターンでない豊橋発の3本は特別車付きの間合い運用です。

 

 さて、これで終わりたいのですが、特別停車はなんと日中のパターンダイヤ中にもあります。。。

 

豊川線名鉄一宮直通急行

名鉄のダイヤは特徴的で、さまざまな系統を走らせたいがために名古屋の本数は昼間でもかなり多く、夕方でもあまり増やせないので、朝ラッシュが終わると終電近くまでパターンダイヤが続きます。他の各線のパターンダイヤが日中だけなのに対して夕ラッシュまでパターンダイヤが続くので、まとめる側としては非常に楽です。

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日中豊川線名鉄一宮系統急行(北行)

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日中名鉄一宮豊川線系統急行(南行)

こちらは「豊川急行」とよく呼ばれる系統です。基本的には14時台まで有松と二ツ杁に停車、15時以降は大里に停車となります。

有松と二ツ杁は運行時間が縮小された準急の代替、大里は過去に停車駅だった名残だそう。

ここにも何か種別名がつけられればベストかと思いますが、メトロ副都心線のFライナーみたいなものを名付けるしかないんですかね。

大里停車は東岡崎以南準急への種別に変更とセットが多めなので、通勤急行とか区間急行とかだと関東風ですがいけるかもしれないですね。

 

今度のダイヤ改正でこの系統の日中は廃止になるようです。二ツ杁付近は普通列車で代替なので問題はなさそうですが、有松付近は純減の見込みです。なにか他の系統の急行が特別停車するようになるのでしょうか…?

 

西尾線名古屋本線津島線系統急行

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日中西尾線津島線系統急行(北行)

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日中津島線西尾線系統急行(南行)

いわゆる「吉良急行」と呼ばれるものです。

こちらは分かりやすく、この系統の全ての列車が豊明駅に停車します。ここまで読んでいただいた方ならスッと入ってくるかと思います。津島線側の種別変更がごちゃごちゃしてますが今回はスルーしましょう。

 

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特別停車回数一覧

(豊川線急行、吉良急行、深夜急行)

日中のパターンダイヤの急行と深夜の大里停車分の急行を回数別にまとめました。駅数は少ないものの、日中パターンとなると当たり前のように止まっていくので1駅あたりの回数が段違いです。

 

まとめ

以上で、全ての平日の特別停車駅の紹介が終わりました。ここまで読んでくださった皆さまはこのカオスな感じをどう思ったでしょうか。

 

では、最後に全ての特別停車駅を1つの表にまとめました。

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平日の全特別停車駅一覧

やはり日中も特別停車のある駅が圧倒的な数を記録しています。

1日3回以下の駅は柏森駅除いて全て朝ラッシュに集中します。

 

平日に1日297回の特別停車もあるともはや種別分けとは何かを疑いたくなりますが、さまざまな要素が絡んで利用者目線で考えられていることがわかりますね。

 

さて、土日はラッシュはあまりないですが、どうなるのでしょうか。

気が向けばそちらもまとめていきたいと思います。